板金に関するあれこれをコラム形式でご紹介
札幌の修理職人が語る、車のへこみ修理の裏技

# 札幌の修理職人が語る、車のへこみ修理の裏技
愛車にできてしまった小さなへこみ。駐車場で隣の車のドアが当たってしまったり、買い物カートが接触したりと、日常生活の中で車のボディにへこみができることは珍しくありません。
特に札幌のような積雪地域では、雪の重みや除雪作業による傷・へこみも多く見られます。そこで今回は、プロの修理職人として長年培ってきた経験から、車のへこみ修理に関する知識や裏技をお伝えします。
## へこみ修理の種類と特徴
デントリペア(PDR)とは
デントリペア(Paintless Dent Repair)は、塗装を傷つけずにへこみを修復する技術です。特殊な工具を使って内側から押し出したり、外側から引っ張ったりして元の形状に戻します。
メリットは以下の通りです:
– 塗装の必要がない
– 修理時間が短い(多くの場合1時間以内)
– 費用が従来の板金塗装より安価
– 車の資産価値を保てる
ただし、塗装が剥がれている場合や深いキズがある場合は適用できません。
板金塗装
へこみが大きい場合や塗装に傷がある場合は、従来の板金塗装修理が必要になります。板金で形状を整え、パテ埋め、下地処理、塗装という工程を踏みます。
## 自分でできるへこみ修理の裏技
温度差を利用する方法
小さなへこみであれば、温度差を利用して直せることがあります。
1. ヘアドライヤーでへこみ部分を温めます(約3分間)
2. 冷却スプレーを吹きかけるか、氷を入れた袋で急冷します
3. この温度差による金属の収縮でへこみが改善することも
※注意:塗装を傷める可能性があるため、慎重に行ってください。
吸盤を使った方法
市販のデントリペアキットには吸盤タイプのものがあります。
1. へこみ部分を洗浄し、完全に乾かします
2. 吸盤をへこみの中心に固定します
3. 引っ張り機構を使ってゆっくりと引き出します
浅いへこみならこの方法で対処できることもあります。
ドライアイスを使う方法
これはプロも時々使う裏技です。
1. 軍手を着用します(凍傷防止)
2. ドライアイスをへこみの中心に30秒ほど押し当てます
3. 金属が急速に収縮し、元に戻ることがあります
## プロに依頼すべきケース
以下のような場合は、自己修理を試みずプロに依頼することをお勧めします:
– 深いへこみや鋭角的なへこみ
– 塗装が剥がれている場合
– 車の縁(エッジ)部分のへこみ
– ボンネットやルーフなど広い面積のへこみ
## 札幌でのへこみ修理の特徴
札幌では、冬季の雪によるへこみが特に多いです。雪の重みでルーフがへこんだり、除雪作業中に雪を投げた際に車体に当たってしまうケースも。また、凍結路面での小さな接触事故も頻発します。
地元の修理専門店では、こうした北海道特有のへこみに対する豊富な経験があります。特に軽度のへこみであれば、デントリペア技術を用いることで、短時間・低コストでの修理が可能です。
## まとめ
車のへこみは放置すると錆の原因になることもあります。特に札幌のような雪国では、塩分を含んだ雪解け水が傷から浸入するリスクも高いため、早めの修理が大切です。
小さなへこみは自分で対処できる場合もありますが、確実な修復を望むなら専門店に相談するのが賢明です。技術の進歩により、デントリペアなら思ったより手頃な価格で、短時間できれいに修復できるようになっています。
愛車を長く美しく保つためにも、へこみは発見したらすぐに対応することをお勧めします。